ニートの就職体験談

大企業の23歳新卒社員が鬱で退職してから士業事務所に再就職できるまで

投稿日:2017年10月16日 更新日:

第一志望の大学に進学し、学業もそれなりに収め、希望の仕事ではないにせよ上場している大企業に入社した私。

これまで大きな失敗をしたことがなかった私は、ここに来て初めての挫折を味わいました。

目次

将来安泰だと思った大企業の社員

元々公務員になりたかった私は、縁に恵まれずに民間企業での就職活動を経てとある大企業に入社。

周りからも祝福され、順風満帆なスタートを切った、という思いはわずか1ヶ月程度で崩れ去ります。

入った会社は毎月時間外労働が100時間を超え、さらに屋外労働という過酷な労働環境。

100時間分全て残業代がつくわけではなく、そのおよそ半分がサービス残業サービス出勤。

だんだんと仕事のために生きているような状態になり、寝つきが悪くなり、休みの日はずっとぐったりして動かない。

あるとき「自分はもうここまでだ」と冷静になった瞬間があり、それを機に病院に行った結果、鬱病と診断されました。

非常に気分が重かった家族への告白の日のことは、いまでもよく覚えています。

入社からわずか半年で、病気を抱えて無職になり、実家に帰りました。

無気力で、見えない何かに怯える日々

病気ということもあり、しばらくはベッドの上でほとんど寝たきりになってしまい、完全に引きこもってしまっていました。

過労が原因だったので、仕事をしなくなってしばらくしたらベッドから出るようにはなりましたが、やはり家にこもったまま。

病気になってしまったから、仕方がない。

あのまま続けても遅かれ早かれこの事態を招いていたと自分に言い聞かせてはいましたが、新卒で半年で辞めてしまい、もう同じ業界に戻りたくなかった私は、「この先一体どうすればいいんだ?」と自問自答を続ける日々が続きました。

未来のことを考えないといけないのはわかってはいましたが、考えられる未来がすべて最悪の未来でした。

あのまま人生リタイアしてしまえば楽だったのにと、何度も思いました。

実際問題、入社半年で辞めてしまった人間が他業種、それも労働環境が悪いことを「人手不足」と誤魔化している業界以外の業界に入っていけるのでしょうか。

実際、完治後に始めた職探しで出てくる求人はITや飲食ばかり。

全てがそうだとは思いませんが、業界のイメージ的に拘束時間が長いイメージ。

過労で病んだ私が飛び込んで行くには、あまりにもハードルが高すぎました。

第二の人生の夏休みで痛感した「キャリア」の重要性

大学生活は人生の夏休みと呼ばれることがありますが、それならば私の無職期間は第二の人生の夏休みと呼ぶことができるでしょう。

社会人経験が一切ない大学生の時では、まったく考えられなかった視点から今後の生き方を考える機会になりました。

大学生的な職探しは、そこそこお金がもらえるとか、休みが取れるとか、なんとなく興味があるとか、だいたいそんなところがメインになってくると思います。

無職期間中に私が痛烈に感じたのは、キャリアというものの重要さです。

私は業界と決別する覚悟で前者を辞めたので、半年という短い期間とはいえ、その期間のキャリアを完全に捨てました。

同じ年に就職した友人たちは、その会社でその仕事のキャリアを積んでいるのに、私のキャリアはきれいさっぱり消え去ってしまったわけです。

キャリアを積んで、業界人として高い能力を持ち、会社に欲しがられるような人材となり、独立も視野に入れられることを重視し、ずっと理系でやってきた私はここに来て士業という道を選びました。

法律なんて未知の領域でしたが、無職期間中に考えに考えて考え抜いた将来のビジョンや、貪欲に学んで能力を高めていきたいという姿勢が評価されたのか、士業事務所に潜り込むことができました。

まとめ

仕事はそれなりに大変ですが、知識と経験の吸収に夢中になって毎日過ごしています。

稼ぎが少なく正直辛いですが、資格を取って経験を積んで、待遇を上げてもらうなりいいところに移籍するなり、独立するなりするための下積み時代だと考えて乗り切っています。

-ニートの就職体験談
-, , ,

執筆者:

           

あなたにおすすめの記事

関連記事

20代無職・ニートからIT系の職業に就職することができた体験談まとめ

本サイトの就職体験談の中から、20代無職・ニート状態からITやweb系の仕事に就職することができた成功体験談をまとめてご紹介しています。 IT、web系の業界は人手不足ということもあり、スキルややる気 …

ブラック企業を辞めてから再就職できた体験談まとめ

世の中にはブラックだと気づかずに、ブラック企業に入社してしまうケースがたくさんあります。 これから就職や転職活動をする皆さんにはできるだけ、そのようなブラック企業は避けていただきたいという思いから、ブ …

美容商品営業を退職し30歳無職からシステムエンジニアとして就職できました

わたしは37歳、関西在住の男性です。 現在はシステムエンジニアとして働いています。 30歳で正社員となれましたが、それまでの経緯を記載させて頂きます。 目次 大学を卒業後、美容商品を扱う営業に就職 わ …

30歳でコンビニバイトを辞め無職になった私が製線会社に就職することになるまで

私は現在32歳の男です。 二年前の30歳の時、私は勤めていたコンビニエンスストアの建て替えの影響で無職となりました。 それから無職の期間を経て正社員になったので、その経緯をお話ししたいと思います。 目 …

転機は兄の結婚!3年間の引きこもりを経て、25歳無職で正社員の事務に就職できました

私は25歳の時に無職から正社員になろうと決意し、正社員の事務として就職することができました。 これからそのお話をしたいと思います。 目次 大学時代に就活で失敗し、3年間実家で引きこもり生活をする 私が …

100社応募するも採用されなかった。26歳無職女が紹介予定派遣を使い未経験の事務職に就職できた話

私は26歳の時に、前職を勢いで退職し、無職になりました。女性です。 前職はNPO法人の事務職員で、事務仕事をしていましたが介護の仕事も多く、事務の経験は無いに等しい状態でした。 そんな私が、紹介予定派 …

家と図書館に閉じこもっていた私がニートを脱出できたきっかけ

私自身がニートであった時期を経て、今こうして人と関わりながら再び仕事ができているという経験を踏まえて、何か一つでも今就活を始めようとしている方のお役に立つことがあればという思いで、ニートを脱出できたき …

大学時代から鬱に。25歳男性無職が正社員として介護職員に就職するまで

私は39歳の男性です。 25歳の時に無職から就職活動をして介護職員になった体験談を書いていきます。 目次 無職になるまでの経緯。 私は大学時代に鬱になってしまいました。 そのため大学を卒業して無職の状 …

27歳でニートになった30歳の女性がスーパーのパートに就職するまでの話

私はとにかく外に出たく無い気持ちがありました。 見た目にコンプレックスがあり、人目が気になってしまうのです。 働かずに自分の家にいる時が一番安心出来たのです。 目次 短大卒業後、入社した会社が倒産、そ …

25歳院卒が一年の無職の後、地元の測量会社に就職した話

  大学院卒業時点で24歳だった男です。就職時点で25歳でした。 就職したのは近所の測量会社で、職種は公共補償の調査・積算の仕事です。  地元の専門学校を卒業後、地方の大学院に進学し、とりわけ優秀な学 …