ニートの就職体験談

大学卒業後、小説を書く道を選び無職に。27歳の実家ニート状態だった私が医療機器メーカー営業職に就職できたきっかけ

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私は現在29歳の男です。

27歳のときに無職から医療機器メーカーの営業職に就職することができたのでその話を書こうと思います。

目次

東京の大学を卒業するも、就職せずに小説を書く道を選ぶ

地方から上京し、東京の大学に通っていました。

大学生時代は親の仕送りもあったのですが、それだけでは生活できず、アルバイトをしていました。小説家を目指し、小説を読んでは、オリジナルの小説を書き、応募する日々を送っていました。

22歳で大学を卒業したのですが就職はしませんでした。周りの人たちが就職していく中、私は小説を書く道を選びました。今思うとかなり思い切った道を選んだと思います。何のために大学に行ったのかわからない。と親や親戚から言われました。

しばらくは東京でアルバイトをしながら小説を書いていたのですが、さすがに東京ではやりたいことをしながらアルバイトで生活していくことがきつくなり、また、奨学金の返済も始まってきたので、一旦実家に戻ることにしました。

最初のうちは親との関係も良くありませんでした。それは当然のことです。

息子が東京の大学にまで行って就職もしないで実家でニート生活をしている、という状況を自慢できる親はどこにもいないでしょう。本当に肩身の狭い思いでした。

しかも小説を書く、といういわば家から一歩も外に出ずに済む生活がさらに引きこもり生活に拍車をかけました。近所から「息子さん帰ってきてるの」などと噂されると、見つかってはいけない。外に出てはいけない。という考えになりました。

外出だけではなく、近所の人に見られたら恥ずかしいと考えるあまり布団を干すような短時間で済むことですらしなくなっていきました。

そのような状況では小説を書くモチベーションが続くわけがなく、次第に小説からも遠ざかり、いつしか朝起きて、寝るまでネットサーフィンしかしない生活が始まりました。このときは本当に悔しかったです。

何か自分が変われるきっかけをネット上に求め、答えを探すけれども見つからず、時間だけが過ぎていく。そんな状態が2年ほど続きました。

26歳の夏にエアコンが壊れたことがきっかけで外に出るように

そんな状況でも生活のリズムが乱れなかったことだけは救いでした。朝になると必ず親が起こしにきます。なのでこの時間には起きなければいけません。

例え昼間に4時間くらい昼寝をしてしまって夜3時くらいにようやく眠ることができたとしても、朝起きる時間だけは毎日一定でした。今思えばこのことが良かったのかもしれません。

26歳の夏に転機が訪れました。家のエアコンが壊れたのです。夏にエアコンがない状態で過さなければならず、家の中は暑かったため、否が応でも外に出なければいけませんでした。

かといってどこにいけばいいかわからず、お金もなかったので図書館に毎日通うようになりました。そこでいろんなジャンルの本を読み漁りました。以前は小説しか読まなかったのですが、ノンフィクション、ビジネス、写真集、本当に様々な本を読み、気がつけば冬になっていました。

アルバイトで得たお金でジムに通い、自信がついてくる

外出できるようになった勢いもあってかアルバイトも始め、そのお金でジム通いを始めました。体型は誰もが想像するニートの体格と思って間違いないです。この頃には近所の人と会っても動じなくなり、親との関係も以前と比べると良くなりました。

少しずつ変わり始めた体格のおかげで自分に少し自信を持つことができるようになりました。何か決めた道をコツコツ進むことは苦手ではないのかな、と感じることができました。長年滞納した奨学金と将来ずっとこのままではないか、という不安が強く、それらを解消させたいと思うようになりました。そして翌年の5月ごろから就職活動を始めました。

初めはハローワークに行きましたが、長年、人と普通の会話をしたことがなかったので、自分でも自分の言いたいことがわからないくらいでした。特にやりたいことがあるわけではなく色々話したのですが、やりたいことはわかりませんでした。

通常の人であればそれなりの社会人経験を積んで結婚だ、昇進だと意気込んでいる時期に、自分はまだスタート地点にも立てていないということに焦りを感じていました。

indeed(インディード)経由で、営業職にひたすら応募

ハローワークはあてにならず、ネットで検索しても結局、人を小馬鹿にした内容の記事にしか出会えなかったので、インディード経由で応募しました。

正直ネットではブラック企業とか、長時間労働とかが社会問題として取り上げられていましたが、実務経験がないので、会社というものがどういう組織なのかわかりませんでした。とりあえずどこかに入ってみようという感覚でした。

営業職を選んだ理由は、資格がなくてもできるからです。経理や人事などの事務系の仕事だと経験者募集が多かったため、とりあえず営業でひたすら応募し続けました。

応募するだけならタダだったので本当にひたすら応募です。本当に奨学金の返済と将来の不安で一杯でした。それとアルバイトをしたことで自由に使えるお金ができ、もっとお金が欲しいと思ったことも影響していると思います。

社会人未経験でも興味を持ってもらえたのは、小さな変化を積み重ねたから

そんな中、社会人未経験でも経歴に興味を持ってくれる会社がありました。経歴というよりも「ニート期間→アルバイト→ジム通い→体が引き締まる→職探し」、というサイクルが、失敗から成功に導くサイクル、と捉えられ評価されました。決してそういうつもりで話したわけではないのですが、良く解釈され助かりました。

無職からの就活に大切なことは「熱意」だと思います。と言っても、無職の人に熱意がないことはわかっています。でも変化の小さなきっかけを重ねていくことで、大きく変われるきっかけになれるはずです。

私の場合はジム通いで体が引き締まったことでした。トレーナーと話すことも億劫だったのですが、「最近変わってきましたね」と言われると嬉しいものです。

自分では変化がないと感じていても、そんなことを言われると、もっと頑張ってみようかな、という気持ちになります。そうすればジム通いの中で「もっと結果を出したい」という気持ちになり、今度は自分からトレーナーに話しかけるようになります。

初めは小さいきっかけでしたが、自分から話しかけるときには自分の中に「熱意」がありました。それが就活にも生きたと感じています。

「僕らは福山雅治じゃない」

SHOWROOMの前田社長が「僕らは福山雅治じゃない」と言っていました。誰も自分のことを気にしてはいない。気にすることはない。という意味です。

無職の人は人の言葉に敏感になりがちです。話す人全て、人を見下しているとか、バカにしているとか思いがちです。傷つきすぎて外出がめんどくさくなるときに考えて欲しいです。

あなたは福山雅治ですか?近所の人も、隣に福山雅治が住んでいれば気にするでしょうけど、僕らは福山雅治じゃないのです。

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