生活困窮者に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障するセーフティーネットである生活保護。
近年は、生活保護の不正受給が度々ニュースになり、風当たりが非常に強くなっていますが、本来は困っている人を社会が救ってあげようという制度です。
ニートをしている人の中には、親からの支援がなくなったり、親が亡くなってしまったりした後には、生活保護を受ければよいと考えている人がけっこう多いかもしれません。
しかし、ニートは生活保護を受けられるのでしょうか?
受けられるのであれば、その条件や方法はどうなっているのでしょうか?
本記事では、ニートが生活保護を受けられるのかを中心にお話していきます。
目次
生活保護の受給条件
生活保護を受給するにはどういった条件があるのかを確認しましょう。
援助してくれる身内がいない
第一条件ですが、援助してくれる身内や親類がいないことです。
同居の家族がいて働いている場合などは当然生活保護を受給することはできませんし、離れて暮らしていても援助してくれる人がいる場合は受給できません。
援助可能かを確認する範囲は3親等以内ですので、兄弟姉妹はもちろんのこと、伯父伯母まで確認されます。
全く資産を持っていない
第二条件は、全く資産を持っていないことです。
土地や株式といった資産はもちろんのこと、車や貯金などを所有していた場合には生活保護を受けることができません。
土地や株式を持っていれば、売却する必要があります。
上記の二つの条件を満たしていることが前提条件です。
働くことができない
その上で、第三条件は、働くことができないということです。
病気やケガなどにより働くことができず、収入を得る手段がない状態でなければ、生活保護の受給はできません。
ニートは生活保護を受給できるか
上述の条件を踏まえて、ニートが生活保護を受給できるのかを考えてみましょう。
第一の条件についてですが、多くのニートは両親の支えによって生活しているので、現時点では条件を満たすことはできないでしょう。
しかし、将来的に両親が亡くなった後には、誰も援助してくれる人がおらず、条件を満たすことになる可能性があります。
第二の条件については、多くのニートが資産らしい資産を持っていないと思われますので、心配いらないでしょう。
しかし、親が亡くなった後、土地家屋を相続することになるかもしれません。
条件を満たすには、その土地家屋も売却、放棄しなければなりませんので、覚えておきましょう。
第三の条件については、近年わりとシビアに判定されます。
精神的、肉体的な病気やケガを持っているニートは問題ありませんが、ただ働きたくなかった、就職活動がうまくいかなかった程度の理由では、申請は却下されます。
つまり、ニートで生活保護を受給できるかは人それぞれであり、必ずしも受給できるわけではないということです。
自分が生活保護に当てはまりそうか、しっかりと確認が必要です。
生活保護を受給するための手続き
生活保護の受給条件を満たすことがわかったら、早速申請しに行きましょう。
申請場所は居住地の福祉事務所です。
多くの福祉事務所は市町村役場に窓口があります。
福祉事務所を単独で設置している場所もありますので、ホームページ等で確認しましょう。
福祉事務所では、まず事前相談が必要です。
事務所職員に生活保護を受けたい旨を伝えて、現在の収入状況などを話します。
受給条件を満たしていれば、生活保護申請書を受け取ることができます。
生活保護申請書には、援助者や資産の状況を記入します。
特に難しいことはないので、自分一人でも記入できますが、わからなければ福祉事務所に問い合わせましょう。
生活保護申請書を提出したら、調査が入ります。
面談や家庭訪問も行われて生活状況を確認したり、給与明細や公共料金領収書、預貯金通帳などで資産や収入支出を確認したり、援助者が本当にいないか確認したりと徹底的に調べられます。
申請書提出から14日以内に生活保護を受給できるかの決定が下されます。
受給できない場合には、却下理由が伝えられます。
まとめ
以上、ニートが生活保護を受給できるのかについて、お話しました。
条件が整っていなければ、生活保護を受給することはできませんし、調査もしっかりと行われます。
安易に生活保護を当てにしないようにしましょう。